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表参道ヒルズ [観光]

最近行っていませんが、表参道は東京の中でも私の好きな場所のひとつです。原宿駅から地下鉄の表参道駅まで続く並木道で、年中通じて絵になる風景です。童謡「春の小川」のモデルになった旧渋谷川(現在は暗渠)を挟んで、緩やかな坂道になっています。

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以前は通り沿いに同潤会青山アパートがあって、独特の雰囲気を醸し出していました。見方によってはボロアパートでしたが、表参道に面してブティックなどが入居していて、なかなかおしゃれな散歩道でした。

その跡地に表参道ヒルズが2006年2月にできました。安藤忠雄の設計ですが、大変な工夫が施された建物のようです。個人的には、六本木ヒルズと比べて周囲に対する威圧感もなく、何となく親近感が持てます。

この建物は、景観というものを人々の記憶と捉え、細かな配慮がなされています。最上階は住居区域ですが、建物の高さは並木を超えないようになっていて、同潤会アパート時代と同じ目線で住民が並木道を眺められるようになっています。また、フロアの通路は表参道の坂道と同じ傾斜になっています。

更には、建物の一角に同潤館と名付けられたエリアがあるのですが、これは同潤会アパートとそっくりのデザインになっています。手すりなどもアパートで使用されていたものがそのまま取り付けられています。

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この同潤館については、住民からは建替えの際に色々反対もあったようですが、風景の記憶を残すということにこだわったようです。安藤忠雄も住民と何度も話し合い、説得を続けたようです。

同潤会アパートを知らない人にとっては、あのエリアだけ違和感を感じるかも知れませんが、私のように昔の姿に強い印象を持っている人間からすると、ありがたくまた懐かしい感じがします。

これまでの日本の現代建築には、周囲の風景との調和という発想は殆どなかったように思います。むしろ営利や効率を追い求めるあまり、周囲と不釣合いな建物を造って、法律をクリアさえしていれば景観の破壊など知ったこっちゃない、という例ばかりが目立っていたような気がします。また業者だけでなく住民の側も、自分達の地域の景観というものに対する意識は低かったのかも知れません。

そう考えると、表参道ヒルズは今後の建築のあり方に一石を投じるものになったかも知れません。街のトータルプランという考え方にもつながるものであり、現行法の水準を超えた21世紀の進化形のひとつともみてとれるかと思います。
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