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ガチンコ さらば若乃花 [相撲本]

2000年9月に出版された本です。横綱若乃花引退の半年後ですね。著者は八百長裁判で相撲協会から訴えられ1審で(一部2審も)敗訴した、フリーライターの武田頼政氏です。講談社から出ています。

この著者は若貴兄弟をずっと取材してきた相撲記者で、この本では主に若貴兄弟の入門前から若乃花の引退に至るまでを追いつつ、彼らの人間性に関してもかなり詳しく書かれています。

元小結板井が自らの著書「中盆」で、若貴兄弟は相撲に対する考え方が他の力士とはまるで違う、と語っていましたが、この本を読むと確かに、彼ら二人が相撲を職業あるいは生活の手段というレベルを飛び越えて、一種の修行のようにとらえていた様子がわかります。

また八百長についても一部触れられています。若貴兄弟が所属した旧藤島部屋はガチンコ部屋として知られていましたが、その方針の裏には親方の憲子元夫人の意向が強く働いていたことがうかがえます。それを確立させた旧藤島部屋中興の祖が安芸乃島(元関脇、現高田川親方)であったとも書かれています。

センセーショナルな事実はそれほど書かれていないので、一種の暴露本とはやや違う雰囲気の本になっています。余談ですが著者の武田氏は、相撲取り並みの体格らしいです。
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