曙太郎著 「横綱」 新潮社 [相撲本]
大相撲の元横綱曙の著書です。2001年9月に出版されています。
図書館で偶然見つけましたが、曙が本を出していたとは知りませんでした。引退したのが2001年の1月ですから、それから程なくして書かれた本です。
内容的には、マニアックな相撲本という感じは殆どなく、人間としての曙にスポットが当てられた内容になっているように思います。奥さんのことや部屋の力士仲間のことなどにも触れられています。
曙が最初は若貴兄弟のライバルとしてのヒール役としてマスコミから位置づけられ、それが時と共に段々と変化し、相撲文化や横綱としての在り方を懸命に学ぼうとする曙の姿勢に、賞賛も入り混じるようになっていった様子が、この本からはうかがえます。曙が古事記の英訳本も読んでいたというのには、驚かされました。
曙が横綱に昇進した当時は、それまでの他の横綱が立て続けに引退してしまって、横綱不在の時期でした。手本となる横綱がいない曙に対して、二十八代立行司・木村庄之助が横綱としての心得を度々諭していたというのは、既に報道で知られていましたが、この本でも触れられています。
また、曙が故障に悩まされている時、曙キラーとして名をはせていた貴闘力が曙に医者を紹介した話も、既に報道されていますが、このことも書かれています。
貴闘力の、あくまで強い曙と対戦したい、という思いからは、「敵に塩を送る」という言葉とは明らかに違う、懐の深さを感じます。本当に相撲が好きでなかったら、こんなことはできないだろうと思います。
これが功を奏したかはわかりませんが、曙は晩年、貴闘力にあまり負けていなかったような記憶があります。
この本は、単行本で218ページ、行間も結構詰まっていますので、有名人が書いた本にしてはボリュームがある感じです。文中ところどころに、背景説明や関係者の発言が太字でまとめて挿入されています。私は出版業界の世界を直接知るわけではありませんが、編集者のまとめ方がとても上手い感じがします。
図書館で偶然見つけましたが、曙が本を出していたとは知りませんでした。引退したのが2001年の1月ですから、それから程なくして書かれた本です。
内容的には、マニアックな相撲本という感じは殆どなく、人間としての曙にスポットが当てられた内容になっているように思います。奥さんのことや部屋の力士仲間のことなどにも触れられています。
曙が最初は若貴兄弟のライバルとしてのヒール役としてマスコミから位置づけられ、それが時と共に段々と変化し、相撲文化や横綱としての在り方を懸命に学ぼうとする曙の姿勢に、賞賛も入り混じるようになっていった様子が、この本からはうかがえます。曙が古事記の英訳本も読んでいたというのには、驚かされました。
曙が横綱に昇進した当時は、それまでの他の横綱が立て続けに引退してしまって、横綱不在の時期でした。手本となる横綱がいない曙に対して、二十八代立行司・木村庄之助が横綱としての心得を度々諭していたというのは、既に報道で知られていましたが、この本でも触れられています。
また、曙が故障に悩まされている時、曙キラーとして名をはせていた貴闘力が曙に医者を紹介した話も、既に報道されていますが、このことも書かれています。
貴闘力の、あくまで強い曙と対戦したい、という思いからは、「敵に塩を送る」という言葉とは明らかに違う、懐の深さを感じます。本当に相撲が好きでなかったら、こんなことはできないだろうと思います。
これが功を奏したかはわかりませんが、曙は晩年、貴闘力にあまり負けていなかったような記憶があります。
この本は、単行本で218ページ、行間も結構詰まっていますので、有名人が書いた本にしてはボリュームがある感じです。文中ところどころに、背景説明や関係者の発言が太字でまとめて挿入されています。私は出版業界の世界を直接知るわけではありませんが、編集者のまとめ方がとても上手い感じがします。
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