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元大関貴ノ浪 [相撲]

相撲の技の常識を超越した超個性派でありながら、実力も並外れた力士として、この貴ノ浪は非常に印象に残っています。若貴全盛の90年代から2000年代初頭にかけて活躍し、優勝も2回を数え、名大関といってもよいでしょう。

とにかく相撲の基本を覆すような取り口で、まさかと思うような相撲でよく勝っていました。解説の舞の海も「規格外」と表現していました。現役の把瑠都などをはるかにしのぐスケールの大きさでした。

相手が両差しで貴ノ浪に両上手を与えないような、普通ならこれ以上ない有利な体勢なのに、不利なはずの貴ノ浪が両腕で相手を抱え込んで振り回して、土俵の外へ持っていって勝ってしまう、というような相撲がよくありました。並の横綱でもありえないような形です。背筋がかなり強かったようです。

部屋は若貴と同じガチンコ藤島部屋に所属していました。2回の優勝はいずれも優勝決定戦で横綱貴乃花を破っています。映像が見つからなかったのですが、特に96年初場所の初優勝の時は、正攻法の貴乃花に対して、邪道の貴ノ浪が河津掛けという意表を突く技で逆転勝ちしています。

立ち合いに相手を右から引っ張り込みにいって、攻められて土俵際で残すような相撲が多く、両足首を故障し大関からも陥落してしまいましたが、それでも度々三役には復帰し、敢闘賞を受賞したこともありました。大関昇進が同時だったライバルの横綱武蔵丸から、大関陥落後に金星も獲得しています。

映像は見つけられませんでしたが、引退の数場所前、当時入幕して間もない黒海との初顔合わせの対戦は、とても印象に残っています。黒海は馬力で鳴らした大関武双山を引退に追い込むほどのパワーの持ち主でしたが、その黒海に対して肩越しにとった右上手から、何と上手ひねりで簡単に引きずり回し、一気に土俵際へ持っていき、そのまま今度は上手投げで土俵の外に投げ捨ててしまいました。普通では考えられません。

その貴ノ浪の現役時代の映像を一つ見つけました。横綱曙戦ですが、立ち合いに何と斜めに仕切っていて、警戒した曙が押し込まれています。舞の海が後ろに下がる立ち合いというのをしたことがありますが、それに匹敵するくらい意表を突いています。最後は土俵際で逆転の河津掛けで勝っています。

http://de.youtube.com/watch?v=mguDxGFsSLg

貴ノ浪も曙にはめったに勝てず、もう少し勝てていれば横綱になれたかも知れません。現在は音羽山親方として、貴乃花部屋で力士を指導しています。
タグ:大相撲 大関
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