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PHP新書 「龍馬暗殺の謎」 木村幸比古著  [歴史本]

坂本龍馬の暗殺は、幕末の大事件でありながら、その暗殺者について、いまだに諸説入り混じっています。私も今更ながら、龍馬暗殺に関する本を初めて読みました。

この本でも、一番有力とされる幕府見廻組説をはじめ、薩摩藩説、新選組説、紀州藩説など、色々紹介されています。しかし一読してみると、やはり幕府見廻組が暗殺した、という見方が、一番説得力があるようにも思います。

幕府見廻組説は、明治に入り、見廻組に当時所属した今井信郎がこの龍馬暗殺のことを供述したことが根拠になっていますが、それ以外にも、関係者がのちに様々な証言をしています。

これらは例えば人数など部分的に食い違っている箇所もありますが、いずれもかなり具体的で共通点が多くみられます。ちなみに供述した今井信郎は見張り役だったようで、佐々木只三郎も龍馬のいた部屋には踏み込んでいないようです。

一つ留意すべき点として、見廻組の「犯行」という表現は、やや問題があるかも知れません。彼ら関係者はいずれも、「職務」として暗殺を実行したと話しています。薩長同盟成立直後に寺田屋で龍馬が幕府の襲撃を受け逃れた際に、龍馬がピストルで刺客数人を撃ち殺しており、龍馬は見廻組によって手配中だった、というのがその理由になっています。

また、龍馬は幕府にとっても朝廷にとっても不要の人物であるという認識を、彼ら自身が持っていたとも供述しています。このような当時の雰囲気が薩摩藩説を生むことにもつながっていたのかも知れません。

龍馬暗殺が現在も謎に包まれている背景には、見廻組の職務の常として、暗殺に関与した者が幕府内でも殆ど事実を口外しなかったことと共に、暗殺直後から、すでに各藩でそれぞれ全く異なる見立てをして、それが様々な文書に残されていることも影響しているとみられます。


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