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「親方はつらいよ」 高砂浦五郎著 文春新書 [相撲本]

大相撲の高砂親方(元大関朝潮)の書いた本です。

2008年7月の出版ですので、朝青龍サッカー騒動(朝青龍が巡業を休場しながらモンゴルでサッカーをして、2場所出場停止処分になった事件)の翌年に世に出たものです。したがって、朝青龍が暴行事件を起こし引退した2010年1月よりも前に書かれています。

当時の騒動のみならず、親方としての弟子に接する心得や自らの相撲人生についての内容も含まれています。高砂部屋伝統の明るく個性的な雰囲気を親方自身も継承し大事にしている様子が感じ取れます。

また相撲協会の広報部長だった頃の印象などを思い起こせば、この親方がそれなりに相当な能力を持った人であることは確かなのだろうとも思います。

当時の騒動については、「肌がツルツル」「虹のダブルアーチ」発言の真相についても触れられています。当時の報道では、「弟子がこれだけ重大な事件を起こしていながら、実にお気楽な親方」という文脈でこの発言が報道されていましたが、この本によれば、それはマスコミが親方の一部の発言だけを面白おかしく取り上げたものだ、とされています。

高砂親方としては、「こんな大自然の中で治療すれば、朝青龍にとっても精神的にメリットはあるはずだ」ということを説明するために、具体的な例としてそういった話をしたまでだったようです。

マスコミがある一定の意図を持って、事実の一部をつまみ食いして報じる、というのは、確かにこれに限ったことではないと思います。それを踏まえると、この種の騒動の渦中にあった人物の著書というのは、本人の言い分を世間に対して発表し主張する一つの手段としての存在価値はあろうかと思います。

ただ、その一方でこの本の場合、親方本人の言い分を全部鵜呑みにしてよいのだろうかと思いたくなる部分もないわけではありません。

2011年2月の八百長メール事件後、相撲協会は八百長防止策の一環として、監察委員を支度部屋にも置き、力士に対して監視の目を光らせるようになりました。ところが、監察委員として支度部屋に入った高砂親方が、何と漫画を読んでいた、という事実が発覚し、大手の複数の新聞報道にも流れました。

こういう態度を見てしまうと、この親方は大相撲を取り巻く昨今の厳しい状況を本当にわかっているのだろうか、と言いたくなります。この本の中身からは、そういういい加減な姿は見えてこないので、何が真実なのか、ますますわからなくなってきます。


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タグ:大相撲
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