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100歳の流儀 新藤兼人著 PHP研究所 [その他書籍]

映画監督・脚本家の故新藤兼人の著書です。内容的には、新藤兼人が過去に書いたり話したりしたことが再構成された形となっています。

2012年の4月に100歳を迎え、その年の5月21日に発行され、そしてその直後の5月29日に亡くなっています。

まえがきの冒頭には「満100歳の誕生日を迎えた」とあり、そしてそのまえがきの終わりには「みなさん、さようなら」ともあり、結果的に最晩年の遺言のようなものになっています

この本では、新藤兼人が映画の世界に飛び込んだ後、色々な人との出会いによって、どういう映画人生を歩んだのか、そして作品を作る中で何をどう感じたのか、ということが色々と記されています。また、若くして亡くなった最初の妻に、精神的にかなり支えられていたことも、本の中で何度も触れられています。

どういう人と出会うかによって人生は大きく変わるものだ、ということを改めて感じさせられる内容です。

私はまだ新藤兼人の映画作品を見たことがないのですが、新藤兼人は映画の中で一貫して生身の人間の真実を常に追い続けてきたということが、この本からは読み取れます。作品を何か1本見た方がいいなと思いました。

また、この本には「要領よく生きなければ競争に負けると 思っているなら それはまやかしである」という項目があるのですが、日頃要領の悪い私には非常に勇気のもらえる言葉でした。要領よりも真面目に一歩一歩生きる強い心が大事だと、この本は訴えています。

90歳を過ぎてからは、お孫さんと同居生活を送っていて、その様子も少し書かれています。少々うらやましくも思いました。

ボリュームはそれほどなく、読むのが遅い私でも割とあっという間に読み切ることができました。


100歳の流儀 [ 新藤兼人 ]


タグ:映画
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