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偉大なる水野晴郎 [映画・テレビ]

淀川長治と並ぶ日本を代表する映画評論家といってもいい存在でした。残念ながら昨年76歳で亡くなりました。

日テレ系の金曜ロードショー(水曜ロードショー)の解説を長く務め、番組最後の「いやあ、映画って本当にいいもんですね」のセリフはあまりにも有名です。映画評論家になる前は映画配給会社の宣伝マンで、洋画に邦題をつけたりもしていました。

近年は映画評論家としてよりも、やはり何といっても自ら製作、脚本、監督,主演を務めた「シベリア超特急」、いわゆる「シベ超」の水野晴郎として有名だったと思います。

作品のレベルはどう転んでもC級あるいはZ級ですが、熱烈なファンを生み、シリーズ化もされました。シリーズ最終作も準備されていて、北野武の出演も内定していたようですが、残念ながら撮影開始には至りませんでした。

亡くなった直後の追悼番組企画に私は注目していたのですが、さすがにこの「シベ超」が地上波テレビで放映されることはありませんでした。あの手の映画を公共の電波に乗せるというのは、各局ともリスクが大きすぎたのかも知れません。深夜だったら大丈夫な気もしたのですが・・・。

私はシベ超シリーズはまだ第1作しか見たことがないのですが、とにかく映画評論家が自分で映画を作ったということだけで、もう素晴らしいと思います。俳優が自分で映画を作るというのはしばしばみられますが、映画評論家が映画を作るというのは、私は今のところ他の例を知りません。かなり勇気のいることだろうと思います。

最近ありがちな辛口の評論家たちがもし自分で映画を作ったら、きっと大変な批判の渦に巻き込まれるかと思いますが、水野晴郎の場合はどんな映画でもいいところを見つけて解説するスタイルだったため、あまり厳しいバッシングに遭わなかったのではと推察します。もっとも、あれだけ徹底した駄作ぶりでは、コメントの出しようもないかも知れませんが(苦笑)。

主演水野晴郎のセリフ棒読み、1つしかないっぽいセット、どんでん返しの連続のむちゃくちゃなストーリー展開・・・、「シベ超」を超える作品を作るのもなかなか至難の業だろうと思います。映画に対して我々が抱いているイメージを一変させてくれる映画かも知れません。
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神童 [映画・テレビ]

あまり有名ではないかも知れませんが、2007年春に公開された映画で、監督は萩生田宏治、主演は撮影当時13歳の成海璃子(初主演)です。

この映画は、言葉を覚える前にピアノが弾けたという13歳の天才少女成瀬うたと、音大を目指して浪人中の19歳菊名和音(わお)が主人公です。ピアノがメインの映画で、これを見るとクラシックピアノや音楽の素晴らしさが多少なりとも感じられると思います。

この映画では、もちろん吹き替えも使われているのですが、主人公のうたが実際にピアノを弾いている姿も映っています。成海璃子はこのシーンのために3ヶ月レッスンに通ったそうです。また本物のピアニストも映画の中で役を演じています。そういった面がこの映画から安っぽさを消しているようにも思えます。

私は成海璃子も共演の松山ケンイチもこの映画で初めて見ましたが、特に成海璃子の存在感には目を引くものがありました。とても13歳には思えない堂々とした演技ぶりでした。

萩生田監督自身はピアノを殆どさわったこともない人だそうですが、それでいてこのようなピアノを中心に据えた作品を撮り切るというのは、我々凡人にはない想像力の持ち主のような気がします。
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ドリフ [映画・テレビ]

今でも輝きを失わないザ・ドリフターズ!ちょっと前まで流れていたパチンコのCMではいかりや長介も復活していましたね。

ドリフを振り返る時、真っ先に思い浮かぶのは、やはり「8時だヨ!全員集合」ですね。私も子供の頃よく見ていました。普段は8時頃寝ていましたが、土曜日だけは頑張って9時まで起きていた記憶があります。

小学校2年の時、公開生放送を見に行ったことがあります。ストーリーは殆ど忘れてしまいましたが、すごい行列だったのと、音がとてつもなく大きかったのを覚えています。私が子供の頃両親にしてもらったことで一番うれしかったのは、この生放送に連れて行ってもらったことですね。

ヒゲダンスのテーマは、ベース初心者にはちょうどぴったりの練習曲になります。また、ベースだけでちゃんと何の曲かもわかるので、人前でやるにも都合のいい数少ない曲の一つです。

私は全然記憶がないのですが、志村けんは最初の頃は全然面白くなかったみたいです。荒井注に代わってメンバー入りしたわけですが、志村けんが出てくると場が思いっきりひいたというのですから、今の姿からはとても想像できないですね。

更には、昭和40年代にはドリフ主演映画が松竹で合計15作くらい作られていたようです。私も「やればやれるぜ全員集合!」は10数年前に東京の映画館で見たことがあります。映画では、いかりやが「全員集合!」と声を張り上げると他のメンバー4人が全員すぐ寄ってきます。エンディングが流れると、客席から拍手の嵐が沸き起こりました。そんな状況に遭遇したのは、後にも先にもこの映画だけです。
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スウィングガールズ [映画・テレビ]

何年前か忘れましたが日本の映画です。主演は上野樹里です。私はビデオで見ました。

ストーリーは極めてベタな内容で、確か監督はウォーターボーイズと同じだったか?でも解釈が難しい文芸作品の映画などと比べれば、肩肘張らずに軽く楽しめる映画ではないかと思います。

また、スウィングを知らない人の入門編としては実にいい映画です。しかも音は吹き替えではなく、全部出演者自身の生音だというからびっくり!記憶が定かではありませんが、その後出演者たちでライブまでやってCDも出していたような・・・。

私も大学に入ったらサックスやるぞと思っていたものの、どうしたことかベースをやることになり、どんどん脇道にそれてその後三線を弾くに至りました。でもジャズのビッグバンドへの憧れは今でも持っています。

この圧倒的ボリューム感、ゾクゾクっとくる不協和音、素人にもわかりやすいメロディは、一度は聴いてみる価値があります。まだの人にはおすすめします。
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小津安二郎「東京物語」 [映画・テレビ]

小津安二郎の代表作ともいわれています。私はまだ小津安二郎の作品は今まで5~6本しか見ていませんが、この「東京物語」はとても好きな映画です。136分と少し長めですが、頑張って見る甲斐はあります。

実際に見て、この作品が世界的に極めて高い評価を受け続けてきたことが、自分でも理解できました。家族や親子の本質を描いていて、その洞察力が世界に認められたのかなと思います。

この作品を見てしまうと、日本人で小津作品を見たことがないというのが、非常にもったいない気がします。ブラジル人がボサノバに殆ど見向きもしないのと、状況がちょっと似ているかも知れません。外国人から小津安二郎のことを聞かれて答えられないのも、イギリス人がビートルズを知らないよりはましだと思いますが、できれば避けたいところですね。日本の無形文化財の一つに数えてもいいのではないでしょうか。

この作品は1953年公開ですので、もう50年以上も昔の映画です。笠智衆、原節子といった小津作品おなじみの顔ぶれが出てきます。香川京子は確かまだ現役ですね。他の小津作品にも共通している話ですが、最近のTVドラマなどと比較すると、セリフ回しがとてもゆっくりです。昔の人が皆ゆっくりしゃべっていたのかどうかわかりませんが、慣れると非常に心地よいです。

尾道に住んでいる笠智衆演じる主人公とその妻が、東京にいる子供たちのところに久々に泊まりに行って、そしてまた尾道に帰ってくる間に色々な展開があります。汽車が走っていた頃の山陽本線など、昔の人にとっては懐かしい風景も登場します。笠智衆が旧友と酒を飲むシーンと、子供たちのことについて妻と語るシーンが私はとても印象に残っています。


日本映画を代表する傑作の1本。巨匠・小津安二郎監督が、戦後変わりつつある家族の関係をテーマに人間の生と死までをも見つめた深淵なドラマ。東京物語



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植木等 [映画・テレビ]

亡くなって早くも2年余りがたちます。肺気腫を患い10年も闘病生活を送っていました。宮川泰や青島幸男などが立て続けに世を去った時期とも重なり、寂しい限りでした。

植木等といえばやはり無責任男ですね。私はクレージーキャッツ全盛時はまだ生まれていませんでしたが、無責任シリーズや日本一シリーズは映画館やビデオで色々見ました。当時を知る人にはシャボン玉ホリデーも強烈なインパクトがあったようですね。私は90年の「スーダラ伝説」はよく覚えています。色々歌を覚えたのはその頃です。

無責任シリーズの奥深さは、植木等本人が全く正反対の性格だったという点にもあるかも知れません。本人の性格も全く同じだったら、どこか薄っぺらな感じがしてしまったかも知れません。

植木等の父は僧侶で、戦争に反対して投獄されたというのは、一般にも知られていました。また「スーダラ節」を売り出す時、その歌詞の内容に違和感を覚え、歌うべきかどうかかなり迷ったようですが、「わかっちゃいるけどやめられない」という歌詞は親鸞の教えに通じる、との父の言葉で歌うことを決意したという逸話も残っています。

植木等演じる平均(たいらひとし)も日本等(ひのもとひとし)も初等(はじめひとし)も中等(なかひとし)も、よくもまあそこまで調子のいい男がいたもんだという感じでしたが、後腐れない爽快感が漂っていました。時代が変わっても楽しめる、ついつい見てしまう面白さがあります。
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大冒険 [映画・テレビ]

1965年に製作された、クレージーキャッツ結成10周年記念映画です。

私が物心ついた時には既にクレージーキャッツはバラ売りの時代で、一連のクレージーキャッツ主演映画も、全て大学入学後に知りました。クレージーキャッツのメンバー(ハナ肇、植木等、谷啓、犬塚弘、安田伸、桜井センリ、石橋エータロー)も既に半数以上が亡くなりましたが、不朽のB級映画として、いつの時代でも楽しめる作品だと思います。

この作品の監督はクレージー映画おなじみの古澤憲吾です。また、越路吹雪が悪役で、団令子が谷啓の妹役で出ています。その他、冒頭部分で首相役で森繁久弥が、エンディングの結婚式の仲人役で渡辺プロ創業者の渡辺晋・美佐夫妻が出ています。また主題歌はカラオケにも時々入っています。

http://www.youtube.com/watch?v=HcQFdVFnrEs

この映画はバレバレの特撮シーンがいっぱい出てきますが、特撮監督は何とウルトラマンでおなじみの円谷英二です。バイクのスタントで植木等がコケて放り出されるシーンがありますが、これを実際演じたのは当時植木等の付き人だった小松政夫です。またこの映画は、アメリカの映画などにも色々パクられているらしいです。

ストーリー展開はとにかく無茶苦茶です。植木等演ずる週刊トップ記者・植松唯人が、ニセ札の国際犯罪組織の存在を嗅ぎつけて追跡するのですが、警察に犯人に間違えられて指名手配されてしまいます。国際犯罪組織には命を狙われ、警察にも追いかけられ、逃げまくる中で突然歌を歌い出したり、ヤギ運搬車の荷台やら貨物列車の屋根やら次々と乗り換え、鉄橋から落っこちたと思ったら下に馬がいて鞍に着地しそのまま走り出したり、相変わらずのクレージー映画ぶりです。

植木等の隣の住人が谷啓演ずる発明狂の谷井なのですが、この谷井がカラーコピー機を発明します。映画の中では「総天然色万能複写機」として登場します。時代を感じさせます。

小津や黒澤といった世界に名高い巨匠の名作とは対極にある作品ですが(笑)、娯楽性を徹底的に追求した迷作揃いのクレージー映画も、古きよき日本映画を代表する存在だと思います。


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イルマーレ [映画・テレビ]

2000年の韓国映画です。タイトルはイタリア語で海という意味のようです。「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンも出ています。レンタル店にも置いてあります。ハリウッドでもリメイクされています。

原題は「時越愛(シウォレ)」というらしく、要するに時を越えた愛ということです。まさに映画のストーリーそのものを表しています。

主人公は1999年を生きる女ウンジュと1997年を生きる男ソンヒョンです。この二人が、海辺の1軒の家の郵便受けを通じて、ひょんなことから文通を始めます。お互いの生きている時間が2年ずれていて、最初はお互い相手がウソをついていると疑います。しかしウンジュが「1998年1月9日は大雪が降る」とソンヒョンに予言して、それが当たったりするあたりから、ようやく二人の生きている時間のずれに気付きます。そしてお互いの境遇を少しずつ語り合うようになります。

そんな中、ウンジュが2年前に駅にカセットレコーダーを忘れた話をして、それをソンヒョンが取りに行くことになります。駅のホームに行くとウンジュンがいて、ソンヒョンは初めてその姿を見ることになるのですが、その当時のウンジュがソンヒョンのことなど知るわけもなく、声をかけることもなく素通りしてしまいます。カセットレコーダーを拾ったソンヒョンは、テープに自分の願いを吹き込んで、郵便でそれをウンジュへ送ります。

そんな具合に、2年の差が色々なことを引き起こします。そこから先は見てのお楽しみということで。

2年の時を隔てた人間同士が交信するなど、本来ありえないことですが、そのありえない設定から展開される内容にいつの間にか吸い込まれてしまいます。話の流れに不自然さや安っぽさを感じる場面も殆どなく、見ている側にとっては余分なことを考える必要のない、想像力をかき立てられるような映画でした。


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タグ:韓国 韓流
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ホテル・ハイビスカス [映画・テレビ]

2002年に発表された沖縄映画です。監督は「ナビイの恋」の中江裕司です。

この「ホテル・ハイビスカス」は「シベ超」とは比べものにならないくらい、ホントの意味でおすすめです。今まで見た中で一番楽しい映画だったかも知れません。東京国際映画祭の審査員特別賞にもなっています。レンタルでも借りられます。

「ナビイの恋」に続き、この映画でも平良とみと沖縄民謡界の大御所登川誠仁が出ています。登川誠仁が主人公の美恵子と歌っているのは「赤田首里殿内(あかたすんどぅんち)」です。主役は確か沖縄のオーディションで選ばれた小学生ですね。

沖縄の人ならよく知っていると思いますが、キジムナーというのがこの映画で出てきます。簡単に説明するのが難しいのですが、この映画を見るとすぐわかります。「チョンチョンキジムナー」という曲も出てきますね。

せっかくのいい映画なので、まずはご覧あれというところですが、暗い部分や迷いが一つもなく、100%楽しい映画です。いい意味での沖縄のいい加減さ(てーげーですね)がよく出ています。美恵子も素直で豪快で、一家に1台ほしい感じですね。美恵子がくじを引く場面は笑えます。


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タグ:沖縄
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シベリア超特急 [映画・テレビ]

知る人ぞ知る不朽のC級映画です。この「シベ超」、監督・主演・脚本全てあの映画評論家の水野晴郎!残念ながら昨年亡くなりましたが、映画評論家が批判を恐れず自分で映画を作ったということだけでも、私は拍手を送りたいと思います。

この映画は旧日本陸軍の山下奉文大将を主人公にした完全なフィクションで、シベリア鉄道らしき列車が舞台です。出演は水野晴郎とかたせ梨乃以外はほぼ無名で、予算どれくらいだったんだろうと思います。しかも鉄道の車両のセット1つで全部のシーンを撮ったっぽいです。メイキング編などあると面白そうですが。ちなみに水野晴郎は見事なまでにセリフ棒読みです(笑)。

細かいストーリーは忘れてしまいましたが、一応ミステリー仕立てです。内容よりもともかく、こういう映画が1本くらいあってもいいでしょう。映画祭で賞を取るのはもちろん、出品すらありえないだろうなと思いますが(笑)、隠れ「シベ超」ファンは世間には結構いるみたいです。みうらじゅんも絶賛していたようです。私はまだ見ていませんが続編も作られています。一部でシベ超Tシャツなるものも売られています。

正統派の映画通の方には決しておすすめしませんが、酔っ払いながら見るにはいいかも知れません。二度見る価値があるかはわかりませんが、一度見る価値はあります(笑)。レンタルでも借りられるはずです。


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